株式会社村田製作所
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いま開発現場で、グループウェアからSpaceFinderへの移行が増えている。情報が分断し経緯や進捗が追えない、うまく情報が検索できない、システム変更に費用と時間がかかり、改善や変化への対応が困難等が主な理由だ。電子部品の国際的な大手メーカー、村田製作所でも個別受注品の開発案件管理をSpaceFinderに移行。「TASKEY」と名付けられた新システムにより、案件全体を俯瞰した優先度のコントロール、業務の滞留や重複の防止、部門間・個人間での情報共有による業務効率化など、幅広い効果を発揮している。
通信システム商品事業部
商品開発3課
乗地 隆礼 氏
乗地氏個別受注品の引合いがあると、商品技術部門(以下、商技部門)がその引き合いを『テーマ』として登録。案件を進める過程で、設計部門・製造部門間や部門内で様々な依頼(リクエスト)と回答(レスポンス)がやり取りされ、その過程で成果物が作成されます。それらをグループウェアで管理していましたが、結局は個人間のメールとあまり変わらない状況で情報共有化できず、開発案件を俯瞰して進捗の確認や優先度の判断を行ったり、経緯や成果物を共有することができませんでした。
センサ事業部 商品技術2課
係長
椿 修二 氏
椿氏問い合わせを受けた時点では対応が困難な要望の中に、今後の商品開発に有益な情報がたくさんありますし、過去の案件情報から傾向 を読み取ることも可能。そうした情報を分析し、ニーズを先取りした商品を提供したいと考えていましたが、従来のシステムは入力や検索の障壁が高く、情報が溜まらない、情報の整理や分析が困難、という状況でした。
センサ事業部 商品技術1課
主任
高梨 敏行 氏
高梨氏以前は1つの入力フォームで様々な業務をカバー。項目数が多く、自分がどこに入力すれば良いかを探すだけで苦労していました。TASKEYでは、各プロセスが1枚の電子帳票でまとめられているので、自分がどこを入力すればいいのかがひと目でわかります。さらに、以前のシステムでは、ちょっとした変更にも費用や時間がかかるため、不便でもそのまま使い続けていましたが、TASKEYは、電子帳票の項目追加、レイアウト修正、コメント追記等が容易に行えますので、運用をしながら改善が行えます。
乗地氏従来は情報が分散し、全体の案件数を管理できず、案件の優先度もコントロールできませんでした。その結果、案件依頼があった順番に対応している状況でした。しかし、世界的な携帯端末の市場拡大や部品点数の増加を背景に、開発案件は大幅に増加しています。今後、案件の優先度のコントロールが重要になっていきますので、TASKEYによって品番管理が実現できた意義は大きいと思います。これにより、開発案件全体を俯瞰し、本当にビジネスになる案件を積極的に狙いにいけるようになりました。案件毎の対応期間や試作期間をTASKEYで集計し、優先度判断の参考にするといった取り組みも始めています。さらに今後は、他のDBと連動させて案件毎にかかった費用や、期間/費用、人/費用等を割り出すことで、1つの案件にかかる負荷を正確に見積もれるようにしたいと考えています。
通信システム商品事業部
商品開発1課 係長
森井 春雄 氏
森井氏自担当の対応中案件や承認待ち、重要案件などが電子帳票一覧画面ですぐに確認できるので、担当者や承認者での滞留を容易に把握でき、ビジネススピードの向上につながっています。TASKEYの運用開始後、失念による開発案件の滞留は無くなりました。また、担当者が変 わったり複数人が対応する場合でも、電子帳票画面上で、これまでどのようなリクエストが行われ、どこまで対応しているかを容易に確認できるようになりました。同じようなリクエストを重複して実施することも減少しています。
椿氏例えば、顧客名と品名を掛け合わせて案件を検索し、過去のやり取りを洗い出すといったことがよく行われています。過去の事例を参照することで問い合わせ対応を効率化できますし、あるお客様には特殊な仕様で対応したという場合でも、これまでの経緯を踏まえた上で的確な対応が可能。個人持ちになっていたノウハウがシェアできるようになり、その効果は確実にあがっています。
高梨氏開発案件の中には、乗数を変えるだけといった簡単なものもあります。入力障壁が高かった以前のシステムでは、「この程度だったら電話やメールで」済ませていたような場合でも、今はTASKEYで運用されています。そういう意味で、業務におけるカバー率が向上しています。
乗地氏以前の開発中の条件や、設計変更の理由も含め、どのような開発経歴で商品化されたかという情報が、今は積み重なっています。
森井氏以前は別のシステムで行っていた商技部門からの量産用部資材・出荷用製品の先行手配指示や仕様変更指示もTASKEYのワークフローに組み込みました。これにより、製造部門が立ち上げ前に先行情報を確認して準備したり、立ち上げ作業中に別のリクエストを受けて併行して対応したりすることがTASKEY上で運用および管理できるようになりました。立ち上げ後も最新の納入仕様書を参照する機会が多いのですが製造部門・商技部門ともに見つけやすくなり、立ち上げ前後の問い合わせも減って、業務効率が上がっているという話を聞いています。
本社 | 京都府長岡京市東神足1丁目10番1号 |
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資本金 | 693億77百万円 (2013年3月31日現在) |
従業員 | 連結/37,061名 (2013年3月31日現在) 個別/7,208名 (2013年3月31日現在) |
事業内容 | 携帯電話やコンピュータ、AV機器など、エレクトロニクスの中心的な分野から、自動車や環境・エネルギー、ヘルスケアなどの新領域まで、最先端の電子部品を開発・製造・販売する世界的なメーカー。セラミックスコンデンサ、移動体通信用弾性表面波フィルタで世界No.1のシェア。その他に、無線通信モジュール、センサー部品等でも世界的に高いシェアを持つ。 |
取材日:2012年6月27日
受付時間 9:00-17:30(土・日・祝除く)
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