マブチモーター株式会社
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マブチモーターは『標準化』をキーワードに、汎用性の高い製品にて民生・業務機器、自動車電装機器など幅広い市場を開拓してきた。しかし、近年、自動車電装機器市場などにて、顧客ニーズの多様化・複雑化が進み、案件個別の要求が増加。情報の整流化や進捗管理の強化が課題となっていた。さらに、顧客の開発・製造拠点のグローバル化が進み、海外販社等、多拠点での情報共有もより重要になっている。今回の事例では、これらの課題解決を目指す『引き合いプロセス改革』のIT基盤構築をご紹介する。
林氏当社では、案件管理にCRMシステムを、業務管理にグループウェアを使用していましたが、案件個別の要求が増加する中で、システム間の連係がとれていないことが手戻り等、非効率の要因になっていました。当社では社員一人ひとりに標準化の意識が非常に強く根付いているので、顧客要求に対して、どうすれば標準品を使っていただけるか、個別対応する場合は、いかに次の標準品につなげるかを常に考えます。しかし、設計やサンプル等の依頼がどの案件に紐付くのか、要求されている仕様がどのような顧客ニーズに因るものなのか見えないまま業務が流れていたために、状況確認のキャッチボールが社内で続き、案件停滞の原因になっていたのです。
鈴木氏お客様の開発・製造拠点のグローバル化がここ10年程でかなり進んでおり、当社でも多拠点での情報共有が必要になっていました。以前は、日系のお客様であれば日本での窓口対応で良かったのですが、今は、海外販社がお客様の海外拠点と、設計や生産の詰めを行わなければならなくなっています。従って、案件の状況を複数の販社が並行して見なければなりません。
林氏引き合い対応のスピードアップには、個別ばらばらに流れている業務や各種情報・成果物を、案件紐付けで統合化できるIT基盤が有効であると考え、SpaceFinderを選択しました。また、2015年中の立ち上げを目標としていましたので、短期間で構築できるものを必要としていました。他のワークフローシステムやグループウェアも比較検討しましたが、構築期間の短さと、帳票設計の柔軟性が、SpaceFinder選択の決め手となりました。やり方が各社各様の、営業や技術の業務を統合化するには最適なシステムだと思います。
林氏帳票作成後、2月~3月で本社のCRMシステムをリプレースし、3月中に後工程の業務と連係させました。そこから2ヶ月かけて海外販社に展開する計画だったのですが、事前説明を入念に行ったことで、現地での指導なしでの導入が可能となり、2ヶ月前倒して運用開始しました。
鈴木氏システム変更に関しては、本社へ依頼した業務の進捗が見えないなど、海外販社の困りごとを解決できるものであったため、大きな抵抗なく受け入れられました。実際に業務を流して見つかった要件へもその場で改修を行い、業務を滞らせることなく導入できました。こういった対応はSpaceFinderでなければできなかったと思います。
林氏まず営業が『案件管理シート』を起票し、案件情報を登録。この帳票から配下の業務帳票を起票し、営業活動の管理や関連部門への業務依頼を行います。各担当者は帳票一覧画面で新規の依頼や期限を毎日チェックし、自分がかかわる帳票を開いて仕事を行います。業務帳票には案件の概要が自動転記されますし、上位帳票へのリンクボタンも配置しました。各担当者が案件の詳細や経緯等を確認した上で業務を進めることができ、作業の非効率や案件の停滞を防止することができます。
林氏今回、案件単位で業務と各種情報を束ねることができたのは大きな成果です。また、以前は電子化された情報も、営業担当がプリントアウトして案件毎にファイリングしていましたが、そういった業務のムダを削減することもできました。
鈴木氏SpaceFinder以前は、CRMシステムに案件が登録されないままに、各種業務が流れることがありました。しかし、今回のシステムで案件と業務が紐付けられたため、社内アクションを起こすタイミングで案件登録され、その結果、これまで担当個人に閉じていた案件がいっきに表に出てきて、登録件数が2~3倍に増加しました。
林氏お客様のニーズが多様化している中で、引き合い案件をしっかりと管理し受注につなげ、それら用途市場に向けた標準製品につなげていくという課題があります。案件を確実に捕捉することで、その土台を固めることができたと思います。
林氏BI機能を活用することで、進捗のステータスや用途、販社別等の切り口で絞込んで、案件数・金額・数量を自動集計できるようになりました。以前は月次での報告だったのですが、営業部門からリアルタイムで見たいという要望があり、対応しました。営業スタッフが行っていた、手作業での集計・レポート作成が不要になり、工数削減にもなっています。
林氏生産設備の設定条件や定期点検の詳細条件など、生産現場が見る様々なドキュメントがあるのですが、現場管理者視点での使い勝手をより向上させるため、現在、SpaceFinderの帳票を使って整理しています。約20帳票あり、引き合いプロセス関連の帳票と同時期に作成しました。既にある情報を再整理するための帳票で、短期間で柔軟に帳票作成ができるSpaceFinderならではの活用例だと思います。
本社 | 千葉県松戸市松飛台430番地 |
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資本金 | 207億481万円 |
従業員 | 748名 ※グループ従業員数 24,419名(2015年12月末日現在) |
事業内容 | 「標準化」をキーワードとする独自の開発・生産思想を実践し、安価で高品質な製品の安定供給を実現。いち早く海外生産体制を構築するなど、市場や社会の要請に応え続ける、小型直流モーターの世界No.1ブランド。 |
取材日:2015年12月2日
受付時間 9:00-17:30(土・日・祝除く)
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