東芝テリー株式会社
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産業用カメラメーカーである東芝テリーでは、品質保証サービス部門と関係各部門が『プロセス上流品質改善』活動を推進している。各部門で生成される様々な品質情報をSpaceFinderに集約し、上流プロセスへのフィードバックや予兆管理に活用。複雑化・煩雑化する品証業務の効率化でも効果を発揮している。まず、同社の品質保証を取り巻く環境の変化からお話をお伺いした。
品質保証サービス部
品質保証担当 グループ長
小林 真人 氏
小林氏近年のグローバル化の進展が、品質保証に様々な影響を与えています。一つは、品質問題が発生した場合の社会的信用や経営へのダメージが非常に大きくなっており、未然防止は理想ではなく現実的な命題となっています。また海外調達部材の増加やものづくりの海外シフトに伴い、製品品質確保のための工程確認や指導にかかる手間が大幅に増加。製品仕向け国ごとの環境/安全等の法令対応も複雑化・煩雑化しています。これからは、このような状況に対応しつつ、品質問題の未然防止を今まで以上に徹底しなければなりません。
小林氏この取り組みでは、設計・調達・製造・サービスそれぞれの上流での品質活動に重点的に取り組むとともに、サービス/品証から設計へのフィードバックを強化したり、ケーススタディ(過去トラ)事例の活用を推進するなど、より上流プロセスである企画・設計での仕様や品質の作り込みを強化しています。
品質保証サービス部
サービス担当 グループ長
栗尾 幸則 氏
栗尾氏SpaceFinderに登録されたサービスや苦情情報の中で、同一製品の故障発生状況等をウォッチ。ある期間の出荷数に対して故障頻度が高くなる傾向がみられる場合は、詳細を分析して『設計検討依頼書』の発行や事業BU別のQS分科会、全社QS会議で市場情報を上流にフィードバックするといった活動を行っています。修理対応の際に、故障状態や再現性、作業区分を帳票入力することで検索性を高め、分析対象の抜け漏れを防止。また、サービス部門内の取り組みとしては、蓄積したデータを段取りミーティングや工程進捗確認に活用しています。
小林氏この取り組みでは、設計・調達・製造・サービスそれぞれの上流での品質活動に重点的に取り組むとともに、サービス/品証から設計へのフィードバックを強化したり、ケーススタディ(過去トラ)事例の活用を推進するなど、より上流プロセスである企画・設計での仕様や品質の作り込みを強化しています。
栗尾氏SpaceFinderのバージョンアップで追加されたタブ機能を使って、サービス依頼書/修理報告書に『Needs Wants』というページを設けました。修理品に添えられたコメントから読み取れるお客様の満足・不満足や、現場でサービスマンがお客様からお聞きしたことを入力しています。そういった『顧客の声』を蓄積し、集計分析して、商品企画にフィードバックしたいと考えています。
品質保証サービス部
品質保証担当 主務
向坂 芳貴 氏
向坂氏調達部品に不適合があると、CAR(コレクティブ・アクション・リクエスト)シートを起票し、不適合内容や要求事項、回答期限等を入力した上で、調達先業者に不適合通知書を発行します。回答状況や回答遅延日数を集計でき、長期間未回答の場合は個別に督促します。CARシートを出力する際、社外非開示の項目は自動的に非表示になるようにしています。
小林氏海外の部材加工業者は、ものづくりのノウハウ蓄積が不十分な場合が多いので、品質を確保するためには、納品される部品の現品検査にとどまらず、製造現場で現物の加工作業に立ち会って工程確認を行ったり、繰り返し品質指導を行うなど、上流プロセスでの対応が重要です。そのため、CARシートの発行件数が多い業者に対しては、計画的な品質監査を実施しています。またCARシートに記載された情報は、是正対応が定着していることを監査や品質指導の際に確認するためにも活用しています。
本社 | 東京都日野市旭が丘4丁目7番地1 |
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資本金 | 2億6千万円 |
従業員 | 352名(2015年4月現在) |
事業内容 | カメラ技術をコアとした映像システムソリューションにより、社会生活や企業活動の進化にさまざまな角度から貢献。マシン&メディカルイメージング事業、セキュリティ&監視カメラシステム事業、電源・伝送事業の相乗効果で、イノベーションを加速している。 |
取材日:2015年5月22日
受付時間 9:00-17:30(土・日・祝除く)
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