コクヨS&T株式会社
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コクヨS&T株式会社の1万品番以上におよぶ製品ラインナップを支える開発陣は、新製品開発やリニューアルに全力疾走を続けている。市場の二極分化が進む中、低価格路線とは一線を画し、独創的な製品開発と環境対応で『新たな競争力の確保』を目指すコクヨS&T株式会社にとって、製品開発力は生命線。しかし、近年、環境対応化による製品リニューアルや新規分野への挑戦をはじめ、様々な要因で業務量が膨大化。開発業務の効率化と開発精度の向上が、喫緊の課題となっていた。
クリエイティブプロダクツ事業部
ステーショナリーマーケティング部 統括グループ
グループリーダー
高部 直樹 氏
高部氏新製品開発では、これまでの延長線ではない新しい価値の創造が求められ、新技術の開発から取り組まなければなりません。さらに、近年、環境対応、創育事業、防災用品など新規分野への取り組み、法令対応の煩雑化、市場変化の加速に対応して組織変更が大幅に増加するなど、業務量がますます膨大化。開発業務の効率化、開発工程やチェックのヌケモレ防止、そして、ベテランと若手での開発精度差の縮小が課題となっていました。
クリエイティブプロダクツ事業部
ステーショナリーマーケティング部 統括グループ
香山 恒 氏
香山氏以前は、開発過程で作成されたデータの管理にはファイルサーバーを用いていました。しかし、ファイルサーバーではフォルダの分け方が不統一で、目的のデータがなかなか見つけられませんでした。そのため、担当変更の際に十分な引継ぎができなかったり、過去の開発データを探し出すのに苦労していました。また、毎年発行している総合カタログに記載する膨大な商品情報の確認にも労力を要していました。開発手順書やチェックシートは紙文書のものが多く、それが最新の内容なのかどうかの判断に苦しむ、という問題もありました。
香山氏システム構築にあたっては、コストと納期がかかる一品物の開発は避け、電子帳票を使ってワークフロー管理ができるパッケージソフトを検討しました。SpaceFinderは、電子帳票とワークフローが自由に作れ、ユーザーが機能を付け加えていくことも可能です。今、まさに業務プロセスの見える化を進めているところで、業務自体も、それを支援するシステムも、色々なことを変えなければならないはずです。そのため、開発支援システムは、自由に設計ができて変更も自由に行える必要があります。持続的に発展させられるシステムでないと、末永く使うのは難しい。これが、SpaceFinderを選定した最大の理由です。
香山氏現在、企画・開発・調達・QC(品質管理)部門がASSYSTを利用しています。ログインすると、まず「帳票ビュー」画面が開き、マイタスクや帳票全体を俯瞰できます。検索機能で絞り込みができますので、特定の品番で開発データを参照したり、グループリーダーがメンバーの作業状況を確認する、といったことが簡単に行えます。スケジュール管理と開発工程のヌケモレ防止を行うのが「開発ステップチェック」シートです。開発案件毎に、企画から発売までの開発ステップと、各ステップの担当者、開始/完了予定日、開始/完了実績日を見える化。作業が終わると担当者とその上司がチェックボックスにチェックを入れます。業務内容欄をクリックすると、その業務内容の説明を表示。その開発マニュアルも参照できるようになっています。完了予定日を過ぎても責任者のチェックが付いていない場合は「遅」と表示されますので、開発の進捗を視覚的に把握できます。また、「ガントチャート出力」機能により、進捗表を出力することもできます。
香山氏このシートにリストされている開発ステップは、QC部門が作成している「品質保証体系」に従ったもので、開発過程で必ず完了しなければならない業務になります。「開発ステップチェック」シートで進捗を見える化することで、担当者やグループリーダーをはじめ、複数の目でセルフチェックが行えます。
高部氏さらに、QC部門が全案件の進捗状況をチェックして、未確認の項目があればグループリーダーに督促することで、二重のチェックを行います。
香山氏ASSYSTのもう一つの大きな機能が「開発書類保管庫」です。品番(群)ごとにシートが作成され、その製品にかかわるデータはすべてここに登録されます。図面や版下など開発案件で登録すべきデータの入れ物が最初から用意してあるので、欲しいデータをすぐに見つけられます。また、データの登録状況が一目瞭然ですので、登録モレ防止も図れます。
香山氏全製品の開発ルールやマニュアルは、「開発マニュアルDB」で一元管理し、開発ステップチェックや開発書類保管庫からも、見たいマニュアルを瞬時に参照できるようになっています。また、関連する法令に関するWebサイトへのリンクも整備。マニュアルの改廃も、確実に効率よく行うことができます。
高部氏コクヨグループでは、「DRiP」という商品情報データベースを運用しているのですが、開発者は約200項目の情報を入力する必要があります。これらの情報の多くは、既にASSYSTに入力されていますので、そのデータをDRiP入力用の帳票に二次利用し、ASSYSTから流し込めるようにしています。同様に、稟議申請用のフォームや新製品の広報用のデータもASSYSTの情報を二次利用することで、開発に付随して生じる幅広い業務の効率化を実現しています。
高部氏開発案件の見える化と情報の一元管理はまだ発展途上ですが、今まで担当者とグループリーダーしか見えていなかった部分が、QC部門でも見えるし、調達部門でも見えます。部門をまたがってそういう見える化ができたことは大きな進歩です。
香山氏開発ステップのヌケモレをチェックする場合でも、以前はQCの担当者がすべて個別に開発担当者に確認して、それをまとめていました。また、製品の表記内容なども、いちいち担当者をみつけて確認しなければならなかったのですが、今はASSYSTで即座に見ることができます。
本社 | 大阪府大阪市東成区大今里南6丁目1番1号 |
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資本金 | 30億円 |
従業員 | 533人(2007年3月末現在) |
事業内容 | 紙製品(ノート/伝票/ファイル等)、文房具(金属文具/筆記具等)、PC関連用品(インクジェットプリンタ用紙/マウス等)の製造・販売をはじめ、オフィス消耗品購買システム「@office(あっとオフィス)」やドキュメント管理のトータルソリューションを提供。コクヨグループの一員として、エコロジーとユニバーサルデザインへの対応を推進している。 |
取材日:2008年5月21日
受付時間 9:00-17:30(土・日・祝除く)
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