三相電機株式会社
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今回は、各部門から計9名の方に出席いただき、非常にチームワークの良い雰囲気での取材となった。しかし、SpaceFinder導入前の課題は、意外にも部門間の連携不足。お話を伺う中で、部門をまたがる業務での「次工程への情報伝達とけじめ」「スピーディな情報共有化」「情報蓄積・分析」を支援する仕組みの必要性が見えてきた。
藤原氏例えば、目標価格や予定台数、目標原価を、営業・技術・購買部門間で十分に共有できていなかったために利益率が低下したり、要求仕様が明確に伝達されなかったために手戻りが発生するというように、部門間での情報連携不足に起因する問題が顕在化していました。また、ほとんどが類似設計なのに過去データが再利用できない、案件数が多い中で進捗が見えず遅延が発生する、といった課題もありました。
橋本氏以前使用していたグループウェアは言語が特殊な上、将来性も懸念されました。そのため、開発案件の連絡票は作成したものの、顧客要求仕様の伝達は紙のままでしたし、案件情報と成果物を関連付けて管理したり、進捗を見える化するといった、初期構築後のシステム改善に積極的には動きにくい状況だったのです。
長野氏今回の改善点の一つが『要求仕様』電子帳票の新設。案件スタート時に営業がお客様と詰めるべき技術仕様項目を明確化し、重要な項目の入力を必須化することで、要求仕様が曖昧なまま開発に着手することに歯止めをかけています。これにより、要求仕様の確認に手間がかかったり、その手間を省略したために手戻りや不具合になったり、見積もり精度が落ちて利益率が低下するといった問題を防止。さらに、お客様の要求仕様にプラスして、一歩踏み込んだ仕様の提案も可能になりました。
小畑氏以前は、目標価格を書かずに見積もり依頼が来たり、1万台のロットと10台のロットを同じ価格で販売したこともありました。少品種・多ロットの時代は、それでも大きな問題にはならなかったのですが、多品種・小ロットの時代になり、小ロット品において部品価格がUP→赤字化していたものが、目標価格/予定台数/目標原価を明確化・共有化したことで、このような案件の見積精度が向上し、SpaceFinder運用開始以降、新機種の利益率が改善しました。
今川氏設計の見積もりよりも大幅に高い価格で部品を仕入れるというように、購買部門との情報共有不足で利益率が低下することもありました。今は、技術部が設定した価格に沿って購買部門が交渉を行い、価格が合わない場合は理由を明らかにして技術部に返ってくるというように連携がとれるようになりました。
今川氏工程毎に上長の承認を得ることで、作業の抜けがなくなり、手戻りが減りました。進捗も随時追えるようになり、期限遵守率が向上しています。以前は、担当者自身も期限管理をここまで目に見える状態で行えていなかったと思いますし、SpaceFinderを活用することでスケジュールが組みやすくなりました。さらに、設計データをSpaceFinderに蓄積していくことで、ファイル探しの時間が短縮。以前は同じような仕様の案件でも、過去のデータが見つからないために設計をやり直していましたので、設計スピードの向上に効果があります。
藤原氏同じような特性の案件でも、過去のデータを参考にしないで担当者が別々に設計するために、本来は同じでも良いのに微妙に仕様が異なるケースが多々ありました。これでは非常に効率が悪いですので、過去のデータを活用して、共通化を図っていきたいと考えています。
坂本氏使用期間や使用温度、周囲温度等は、原因調査を行う上で重要な情報なのですが、従来は営業の記載漏れが頻発し、時間をかけて調査した後になってから情報がわかるというような非効率の原因になっていました。そこで、『クレーム報告書』では、営業が記載する項目を明確化し、重要項目は入力を必須化しました。
藤原氏以前は担当者同士で動いていて上層部に情報が届かなかったこともありましたが、そういったことは今は一切ありません。
長野氏クレーム情報は同時に技術部にも通知されますので、即座に対応が必要な場合は技術部も自ら加わって動けます。同じ機種で同様の不具合が続くと設計改良が必要な場合も考えられますので、情報を共有化することで、そういったアクションも起こしやすくなりましたね。
坂本氏品質会議も変わりました。以前はクレームのリストを眺めて意見を出していたのですが、広い一覧表の中から大事なことってなかなか見つからないですよね。表現も単語レベルに要約されていますし。今は、品質保証部が問題提起するかたちで、期間と機種を絞り、問題とする不具合を抽出した上で、営業・技術部・品質保証部で具体的に議論ができるようになりました。その資料作成もスムーズに行えます。
橋本氏今後、設計不良や組立不良、購入品不良等を含めた、全社でのトータルな返品率低減への取組みを開始していく予定。既に、返品の台数や内容をざっくり把握するといった動きを始めています。SpaceFinderにより、品質情報を一元管理・集計できる環境を構築でき、返却率の分析や振り返り、今後のテーマ設定に活用することができるようになりました。
本社 | 兵庫県姫路市青山北一丁目1番1号 |
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資本金 | 871,600千円 |
従業員 | 573名(連結) |
事業内容 | 「良い品を早く安く安全に心をこめて」「まず素直 ことは愚直に誠実に」を基本方針に、各種モータ/ポンプ、モータ応用製品/部品の開発製造を行っている。国内で唯一のモータ/ポンプ一括メーカーとして、品質・納期の両面で幅広い顧客から支持を獲得。顧客数は2000社を超えている。 |
取材日:2013年4月23日
受付時間 9:00-17:30(土・日・祝除く)
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