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プロローグ 今回は、ツーンレンダリングの考察です。 XSIのツーンシェーダーは マイケル・アリアスさんが後にアニメの映画監督もされるようになったその人を中心とした スペシャル・プロジェクトが開発したレンダリング用のシェーダー設定であり、 XSIV2.0 のパワークリエイターズガイドでは、「 NPR = Non-PhotorealisticRendering」と書かれています。 直訳すれば”写真のように現実的でないレンダリング”ですかね。2002年初旬の頃です。 この NPR を解説した文献はたくさん見つけることが出来ます。(例;Non-Photorealistic, Painterly and 'Toon Rendering http://www.red3d.com/cwr/npr/ ) ”非現実的なレンダリング” なので、別に ”ツーン” だけでなく、線画(INK)や油絵的な表現、それと共に反射や映り込みやコースティクスも処理しています。 映像表現の幅を広げるという意味ではアイディア満載です。英語が読めなくても、絵なら見て解りますね。 何か映像表現で悩んでいたら、[ Non Photorealistic Rendering ]という言葉で検索かけると、たくさんのページが候補にあがってきます。 |
XSI のツーン設定 XSI のツーンレンダリングを設定するには、2つ設定が必要です。 1つはポリゴンのマテリアルに設定、もう1つはカメラのシェーダー設定です。 ポリゴンの方は RenderTree を使ってマテリアルを接続していって色の設定をする訳ですが、Constant を使うのではなく、 Toon_Paint か Toon_Paint_and_Host ノードを接続して設定を行います。 Toon_Host として、輪郭線設定関連だけのノードもありますが。 2つ目が、カメラに設定するレンズシェーダーであり、 Toon_Ink_Lens を使います。 カメラから見てポリゴン形状の輪郭部分や境を抽出し、そこに色線を描くようにするものです。 つまり、ツーンの設定には、マテリアルとレンズの2つのシェーダーを組み合わせ使うことを意味し、 両方共無数の組み合わせと内部の設定が可能であることから、奥の深~い話になってしまいます。 表題にもあるように、ここではメインキャラクターである ”笑美さんを作った時の設定を紹介する” という範囲で話を進めたいと思います。 製作途中の試し絵;リージョンレンダリング |
影にもぼかしを入れる 最初に用意されている Toon_Paint_and_Host でもハイライトの部分には少しぼかしを入れることができます。 以下設定値を参考にしていただければ、境目を[度合い]で簡単にぼけが設定できますね。 ですが、影ははっきりと入ってしまい、設定を探しても、実はどうにもならないようですよ。 今回は、この影になる部分にも下の図のようにボケを入れたいと思います。 影部分にもボケを設定した
さー、これをどう可能にしたかは、実はIncidenceノードを使ってライトからの角度をWeight値として得て
色を混合設定している Mix_8Color に接続しています。ツーンのハイライトはそのまま使っています。 ライトには、別段なにも複雑なことは設定していません。
さて、もう少し色情報を追加する手段を得ています。
まずは、テキスチャーの色を反映させるには、Color2につなげます。 XSIの表示画面で、ポリゴンのアルファーの頂点色を表示するには、
ABCDのどのビュー画面でも、カメラアイコンから>プロパティー>CamaraDisplayタブ 内の頂点カラー> [アルファーの表示]にします。 そして、ポリゴンの頂点色で、アルファー値を付けて、その部分がテキスチャーが反映するようにします。
こうすることで、質感がありそうで、でもツーン風でもあるというような色合いが得られました。
他には キャラクターのちょっとした肌の色具合と影、スカートの柄とツーン色とのブレンドというところも同じ設定から工夫しています。
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次回、カメラに設定するレンズシェーダー、 Toon_Ink_Lens を予定しております。 乞う、ご期待!!
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