与えられた配列を既知の3Dタンパク質構造にアライメントし、洗練されたタンパク質のホモロジーモデルを自動的に作成する業界標準のソフトウェアです。DS MODELERは、新規薬物ターゲットの発見と、ファミリー内のタンパク質構造と機能の研究に理想的なソリューションです。また、モデルの質の評価、リガンド分子などのタンパク質モデルやタンパク 質変異体の構築、DOPEエネルギー関数を基にしたループ構造の構築、構造を基にしたアラインメントの実行、配列プロファイルの作成、リモートデータベースでのホモロジーモデルの検索などを扱うことができます。
さらに、相関関係が低い場合において、配列プロファイル情報を使って配列アラインメントを改善させる新しい手法であるSALIGNが実装されました。シミュレーションや Structure Based DesignなどのDiscovery Studioソフトウェアと組み合わせて DS MODELERを使用することで、タンパク質構造と機能に対する更なる知見を得ることも可能です。
MODELERは、相同性のあるタンパク質が一つしかない場合でもモデル構築が可能です。
ここでは、Lactobacillus CaseiのDHFR (dihydrofolate reductase)の構造が,E. Coli proteinのタンパク質のモデル構築に用いられています。
結晶構造に対するモデルのRMSD値は2.2 Aです。
未知配列に対する構造モデルは、同一のファミリーに属する一つないし複数の類似タンパク質の構造から得ることができます。例えば、幾つかの既知構造に30%以上の相同性を有する配列であれば、ホモロジーモデリングにより、生化学実験を行うに当たって有用なモデルを提供することができます。その数は、実験的に決定された構造をはるかに凌ぐものです。それに加えて、MODELERによって構築した構造は、分子置換位相決定によるX線結晶構造解析法やNOEの帰属によるNMR構造決定法などの実験的構造決定のプロセスを迅速化できます。さらに、より多くの構造が実験的に明らかとなれば、増加の一途を辿る多様な配列に対してホモロジーモデルの適応が可能となります。
MODELERは、構造未知のタンパク質のモデル構造作成に際して、構造既知のタンパク質との配列比較情報が1つ以上あれば、経験的な空間の制限条件のネットワークを用いて自動的に作成することができます。というのも、MODELERは、制限条件と立体化学ジオメトリの両者を同時に最適化しているため、非常に正確なモデル手法を提供できるからです。そのため、40%以上の配列相同性がある場合には、平均的な解像度の結晶構造解析と遜色のない3次元構造を作成することができます。仮に、配列相同性の低いタンパク質の構造を用いたとしても、有用なモデルを構築できる可能性があります。つまり、たとえ限られた配列情報しか得られなかったとしても、様々な実験手法により得られた空間制約条件を用いることにより、モデル構築に必要な情報を増やすことができるからです。例えば、部位特異的変異、ジスルフィド結合、NMR分光法、化学架橋、蛍光分光、prosthetic group binding、からあなたの科学的直感にいたるまでの原子間距離やコンフォメーションに対する実験的な制限をモデル構築に生かすことができるのです。すなわち、MODELERは、これらの条件を加味することにより、より良いモデル構造を自信を持って作成できるのです。
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