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レンダーファーム管理ソフトウェア レンダーファーム管理 Qube! ユーザー事例|株式会社デジタル・メディア・ラボ

Qube!

株式会社デジタル・メディア・ラボ

株式会社デジタル・メディア・ラボ

レンダーサーバのCPU稼働率向上やトラブルの無い安定稼働等により、レンダリングが1.5~2倍に高速化。デザイナーの作業負荷も軽減され作業効率アップ。より少人数で案件を担当でき、受注件数も増加。

お客様のプロフィール

『進撃の巨人展』360°体感シアター“哮”でVRクリエイティブアワード 2015(CG部門賞)を受賞するなど、最先端のゲーム・映像制作で高い実績を誇るデジタル・メディア・ラボ(以下、DML)。そのレンダーマネージャとしてQube!が導入され、期待を上回る効果が出ている。Qube!の構築・運用管理を担うキーマンに、活用状況・導入効果等をお聞きした。

レンダーファーム管理ソフトウエア Qube! 製品情報

レンダリングのトラブルが頻発し、デザイナーの業務を圧迫。もっとクリエイティブに注力したい

管理部 管理部 システム推進室
室長
大河原 哲 氏

大河原氏:当社では以前より、CGソフトメーカーが出している無償のレンダーマネージャを利用していましたが、管理サーバが頻繁にダウンし、その原因追究も困難。納期ギリギリでトラブル対応に追われることもあり、レンダリング処理の安定性向上が数年前から課題としてあがっていました。

諸々のトラブル対応が「大変すぎて・・・」と語る山田氏。その抜本対策として、レンダーサーバの更新時期にあわせてレンダーマネージャをリプレースすることになった。

山田氏:デザイナーの業務がひっぱくしていましたので、レンダリング業務を軽減することで、クリエイティブな仕事に注力できる環境を整備したいと考えました。さらに、業務を効率化することで、より多くの案件を受注できる体勢を作るという狙いもありました。そこで、数種類のツールを調査し、Qube!と他1製品に絞って1ヶ月間検証しました。

ダイキン工業の技術サポートとQube!の自由度の高さがあれば、やりたいことができる

山田氏:Qube!はクラスタ機能が非常に魅力的だったこともありますが、選定の決め手はダイキン工業の技術サポートに対する信頼感です。メールで質問しても、チャットしているのかというぐらい速く回答が返ってきました。また、管理画面もわかりやすく、カスタマイズの際にはヘルプも参考になりました。

DMLでは、自社の環境や業務フローにあわせて様々なカスタマイズを実施し、レンダリング作業の効率化を追求している。そのためにも、開発の容易さや技術サポートは重要だ。

山田氏:評価段階で一通り構築を終え、ドキュメントも整備。稟議申請やユーザー説明会もスムーズに行えました。

サーバのCPU稼働率が大幅アップ。業務効率化を支援する様々なカスタマイズも短期間で構築

DMLでは、東京本社のレンダーサーバ更新を機に仮想環境を構築し、32台の仮想マシンが稼働。その後、2015年2月にQube!が全面稼動を開始した。デザイナーマシン40台超にもQube!のWorker(レンダリング実行ソフト)が適用され、レンダリングに活用されている。

管理部 第1事業部
映像制作部TOKYO
映像制作室
テクニカルアーティストチーム
リーダー
山田 賢一 氏

山田氏:32台のレンダーサーバを複数のクラスタにグルーピングし、各クラスタに案件を割り当てます。デザイナーは案件名(クラスタ)を選択してジョブを投入するというシンプルな運用です。ジョブは投入順に実行され、クラスタ内で2段階の優先度設定も可能です。

~レンダーサーバの稼働率が大幅に向上~

投入されたジョブはクラスタ内で優先的に実行されると共に、他に空いているクラスタがあれば、そちらにもジョブが回る。サーバを案件で囲い込むことなく有効活用できる仕組みで、実際にCPU稼働率も大幅アップしている。

大河原氏:レンダーサーバのCPU稼働率は50%を超えています。CPU稼働率はジョブを読み込む間は上がらないので、それが平均的に50%に達するということは、サーバのムダな空きを抑えて効率的にジョブが処理されていると言えます。以前は高くても30%程度でしたので。

~人手を煩わせることなくデザイナーマシンを効率的に活用できる~

従来はレンダーサーバだけで処理がまかなえず、デザイナーマシンに頼る場面が度々発生。その効率的な活用も課題だった。

大河原氏:レンダーマネージャを立ち上げないで帰宅した人がいた場合に他の人が手動で立ち上げなければならないとか、ファイルサーバのアクセス権を厳格に管理しているために案件によって使えないマシンがあるなど、デザイナーマシンを効率的に活用する上で種々の課題がありましたが、今はそういった課題は解消しています。

山田氏:デザイナーマシンのタスクトレイにQube!のアイコンが常駐し、Workerの状態を視覚的に確認できます。WorkerのON・OFF切り替えや参加するクラスタの設定も、このアイコンから手軽に行えます。さらに、watchdogとも連携し、WorkerがOFFの場合でもマシンがアイドル状態になると自動的にONに切り替わるので、ムダなくレンダリングに活用できます。また、Qube!をサービスで作動させることで、単一ユーザーで運用できるようになり、ファイルサーバのアクセス権問題も解消できました。

デザイナーマシンを遊ばせることなく活用できる環境が実現。「一番望んでいた運用に近づいた」と語る大河原氏。また、Qube!運用開始後はレンダリングサーバにも余裕が出てきたという。

~案件へのサーバの割り当て変更が容易~

各案件の進行状況によって、必要となるレンダーリソースは変化。サーバの割り当てを柔軟に変更できなければ、リソース全体の最適な運用は難しい。

山田氏:当社では毎週のリーダー会議で案件の状況に応じたレンダーサーバの割り当てを協議します。その管理に従来からMicrosoft SharePointを活用していたので、SharePointとQube!を連携させることで、割り当て変更をダイレクトに反映できるようにしました。この連携は1日強で構築できました。コマンドもすぐにわかり、「さすがQube!」と思いました。

Qube!の運用を開始してからサーバに余裕ができ、「リーダー会議も和やかになりました」と山田氏は語る。

山田氏:Qube!の管理用Webページも作成。Workerの再起動や設定変更等をデザイナー自身が実行できるようにしています。

Qube!のジョブ投入画面もカスタマイズ。シーン名を入力すると、ホストオーダーやリザベーション、アウトプット先等が自動入力される。クラスタの選択も、デザイナー毎に初期設定できるので、ジョブ投入画面を開きサブミットボタンを押すだけで済んでしまう。

山田氏:ジョブ投入時の設定項目が少ないレンダーマネージャは一見使いやすく感じるのに対して、Qube!はパラメータが多くてパッと見は煩雑そうです。しかし、痒い所に手の届く細かな設定もでき、なおかつカスタマイズして効率性を高めることも可能。Qube!は使い甲斐がある製品だと思います。

レンダリング処理が高速化
デザイナーがクリエイティブに集中

初年度で投資を上回るコスト削減効果。より少ない人数で案件を担当でき、受注件数も増加

山田氏:Qube!を使うことで不要になるデザイナーの作業時間を、「レンダリングの効率化」「月2回落ちることでのロス・渋滞・確認/再作業」「サーバの無駄な空きによるロス」等の項目で試算したところ、人件費換算で年間400万円ほど(※当社比による概算値)のコスト削減という結果になりました。現時点で本稼動から約半年が経過していますが、想定通りの効果がでており、初年度で投資を上回るコスト削減ができる見込みです。この試算には管理者のコスト削減は含んでいませんので、実際には更なるコスト削減効果となります。また、最近リリースされた安価な「Qube!Designer」にライセンスを切り替えたため、その分コストパフォーマンスが上がりました。ユーザーのニーズに合わせたリリースに今後も期待しています。

~デザイナーの様々な作業が軽減~

山田氏:以前はジョブに設定する優先度をリストで確認するなど、ジョブ投入に3分間程度かかっていましたが、今は10秒程度で終わります。毎回の作業なので、その累積時間は大きいです。また、以前はエラーになったり抜け落ちたフレームが無いか、画像を目視でチェックしなければなりませんでしたが、Qube!ではエラーログを管理でき、リトライもフレーム単位で簡単。リトライボタンを押すだけなので、以前とは比較にならないくらい楽になりました。レンダリング終了後にログファイルから素早く画像ファイルにアクセスできるのも非常に便利です。さらに、例えばカット1のジョブを投入済みでカット2がカット1と似ているシーンの場合に、カット1のジョブ履歴からシーン名を変更してジョブ投入できます。Maya等の3DCGソフトからジョブを投入しなくても良くなり、手間が50%以下になっていると思います。この機能も結構使っていますね。

~制作がスピードアップし、受注件数も増加~

大河原氏:Qube!を運用開始してから、レンダリング処理時間が短縮しています。レンダーリソースは同じなのに1.5~2倍速く処理が終わっている感覚です。

山田氏:その結果、案件進捗がスピードアップ。コンポジット作業を行うタイミングを早められるなど、案件全体がスムーズに進んでいます。これにより、以前は3~4人で担当していた案件が1人で行えるなど、より少人数で担当できるようになりました。その結果、受注件数も増加しています。

大阪オフィスへも展開し全社統合運用。レンダリングパイプライン構築で、作業効率をさらにアップ

大河原氏:東京本社での成果を踏まえて、今後、大阪オフィスにもQube!を展開する予定です。Qube! Supervisorは東京に置き、両拠点を統合的に運用することで、全社のレンダーリソースを最大限に活用できる環境を構築したいと考えています。

山田氏:運用面の構築はできましたので、今後はレンダリングパイプラインの構築を進めていきたいと考えています。例えば、レンダリングが完了するとチェック用ムービーのコンポジットを自動で行ったり、ファイルサイズエラーのあるレンダリングを検知してリトライを自動で行うといった内容です。ここまでできるのがQube!のいいところ。そのままでも使えるし、カスタマイズしてより効果を高められる、両局面がありますよね。

Qube!は、「技術的に『こうなったらいいな』ということを考える上で楽しいツール」と語る大河原氏。今後もQube!の活躍に期待したい。

レンダリングパイプライン構築で、作業効率をさらにアップ
  • 記載されている製品名、会社名は各社の商標もしくは登録商標です。
  • 取材年月日:2015年7月10日

株式会社デジタル・メディア・ラボ

デジタル・メディア・ラボは1995年に設立され、これまでの長い歩みのなかで、CM・ゲーム・映画・TV関係・遊技機など、多様なジャンルのCG映像を制作してきました。2014年春に東京本社が八丁堀に移転し、制作環境の見直しも行われており、働きやすい環境づくりに一層の努力をしています。

本社
東京都中央区八丁堀3-27-10 KSK Eastビル
資本金
10,600万円
従業員
116名
  • 2015年4月現在
WEBサイト
http://www.dml.co.jp/新しいウィンドウで開きます

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